畳の通気性敷材には様々なタイプのものがあります。たとえば、畳やカーペット、絨毯などが代表的ですが、直接座ることを考えてカーペットや絨毯を選ぶとすれば、ウールなど良質なものを選ばないと貧相に見えてしまいます。しかし、ウールは夏場に暑苦しく、一年を通して適した種類のカーペット・絨毯を敷き直さなければいけないということは手間がかかります。その点、畳は一年を通じて利用することができますし、厚みのある敷材のためか置き畳として設置した場合も高級感があります。

畳はもともと来客用として使用されていた敷材ですので、足触りが良く大変居心地の良い敷材です。また、い草を大量に編んで作るなど手間をかけて作られているため、繊細な趣がありインテリアとしても適しています。しかも、い草の内部は空気をたくさん溜め込めるスポンジ状の構造となっているため、断熱性・通気性に優れており、夏場でも涼しい環境を手に入れることができます。また、畳床に稲わらが使用されている場合はもちろんのこと、木質繊維材が使用されている場合も木材は通気性が良いため、ダニ・カビの発生を抑制することに役立ちます。

ただし、畳が接するのは通気性の悪い合板であり、畳と合板が接している部分は湿気が溜まりやすく、その湿気が原因で畳にカビが発生することがあります。カビが原因でフローリングに変えたという方の多くは、畳の下板材が合板であることが多いですが、合板は外して杉板に替えることが可能です。実は昔の家の下板材は杉板であったため、現代よりも通気性が高く、高温多湿の環境に適した条件で建築されていましたが、そのようなことを知らない大工さんが増えたことで、結果的に畳の機能が損なわれているのは残念なことです。

杉板は一般的に低価格で販売されており、日曜大工で簡単に貼替えすることができるので、部屋が合板だからといって畳を諦める必要はありません。ちなみに、合板は外壁材や屋根の下地材にも使用されておりますが、その場合は空気層を持たせて施工されているため通気の心配はありません。