畳の生活年齢を重ねると骨密度が低下するため、骨粗鬆症による骨折のリスクが高まります。特に更年期を迎えると、骨密度と関係の深い女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が低下するため、さらに骨粗鬆症にかかりやすくなります。骨密度の低下を防ぐためには栄養バランスの良い食事をすること、飲酒・禁煙は控えること、そして運動することが必要となります。しかし、忙しい毎日を送っている方はなかなか運動する余裕はありません。そこでおすすめなのが、畳を利用した生活です。

畳といえば、ゴロゴロと寝転がることのできる床材というイメージがあると思いますが、寝たり起きたり遊んだりと、畳の上で活動すること自体が一つの運動になっています。たとえば、畳に直接座るだけで腹筋が鍛えられますし、足を伸ばして座るだけで身体全体に自然と力が入ります。少し体勢が変わるだけで力の入る部位が変化し、柔軟体操をしているような効果があります。畳の上で生活していると、このように知らないうちに筋肉を使ってくれるので、運動不足も自然と解消されます。

このことは厚生労働省の発表でも触れられており、骨粗鬆症の予防対策には和風の生活が良いということが指摘されました。畳に軽い運動の効果があるのは、い草の中にあるたくさんの空気によって生じる弾力性であり、歩く時は足の裏を刺激し、寝る時は背骨を正常な状態へと自然調整することができます。しかし、1日2日行っても意味がありません。持続的な運動が必要なように、畳の上での生活も毎日行う必要があります。そのため、椅子があるとしてもあまり利用せず、畳で過ごしやすい空間を整えるようにしましょう。もちろん、体に疾患がある人や、異常を感じている人については、先ずは専門医に相談することが大前提になります。

畳の上で生活すると身体が鍛えられるだけではなく、集中力が高まったり、ストレス解消効果があったりと、精神的にも大きなメリットがあります。洋室の場合も、フローリングにそのまま畳を置くことは可能であり、インテリア用の置き畳などカーペットの代わりに使用できるものもあります。