熊本城日本でもっとも多いい草の生産地は、熊本県八代地方です。熊本県八代地方は豊かな水と大地によって恵まれており、伝統的な栽培方法と丁寧な作業によって丈夫ない草を栽培することができます。い草の生産量は、国内生産の実に8~9割のシェアを誇り、作付面積も1326ヘクタールと圧倒的に多いです。

熊本県の畳表は「肥後表」と呼ばれており、1503年に上土城の城主であった岩崎主馬守忠久公が、自らい草を植えて見せ、農民に栽培を奨励したことが熊本畳表の始まりであるといわれています。その11年後に起きた大飢饉でも畳表を作っていた農民たちは暮らしに困ることがなく、それから500年間以上にも渡ってい草作りに励んできました。しかし、バブル崩壊をきっかけに安価なフローリング式の家屋が増え、畳表の需要が減少するとともに、中国産の低価格ない草・畳表が大量流入したことで熊本県の生産農家は多大なダメージを受けました。その結果、農家の数や作付面積が大幅に減少しましたが、安価な中国産に対抗すべくいち早く産地の構造改革に取り組んだのも熊本県であり、PR活動や最高級品質の新商品を開発するなどして、全国的に高い知名度と販売実績を誇るようになりました。

また、熊本県では畳表に対して使用する染土を統一し、着色剤を使用することを一切禁止しました。その結果自然の青畳の風合いや香りを満喫することができ、1つ1つの畳表もたくさんのい草によって厚く織り込んでいるため、丈夫で長持ちすることで知られています。さらに生産者の顔の見える安心・安全アピールにより、熊本県産であるということ自体が一種のブランドとして確立されています。熊本県で生産する畳表は、お値打ち価格の普及品から、歴史的文化財の再生にも使用されている高級品までと幅広く、1人1人の目的に応じて最適な畳表を選ぶことができます。特に畳表を購入するという方は、熊本県産のブランドから選んでみてはいかがでしょうか。畳隊でも扱っていますので是非ご検討ください。畳カタログはこちら→