畳の縁畳というと、肌触りや弾力性を左右する畳表の素材や、畳の寿命や耐久性に関わる畳床に注目が集まることは当然ですが、部屋全体のイメージについて考えた時、意外と重要になるのが畳の縁のデザインです。畳縁には、人気の高いひし形や亀型を始め1000種類以上のデザインがあり、従来のモデルに囚われず画期的な新しいデザインも次々考案されています。畳縁にもこだわることで、畳のオリジナル性を高め、自分の部屋に合ったイメージを演出することができます。

しかし、畳の中には畳縁のない「縁なし畳」も存在しますが、そもそも畳縁の機能とは何なのでしょうか?実は畳縁はただのおしゃれではなく、畳表の角の摩耗を防ぎ、耐久性を高めてささくれをなくすとともに、畳と畳の間を埋めることで埃やゴミなどが溜まらないようにするという実用的な役割があります。畳表の裏返し利用をする場合も、畳縁は重要です。また、縁という文字から「人との縁を結ぶ」という意味が込められており、縁起物であるという一面もあります。

このように実用的な畳縁ですが、そのデザインは実に多種多様であり、単色の無地縁もあれば、地紋を織り込んだ紋縁、模様を織り込んだ柄縁があり、デザインによって使用する素材も、麻・木綿・化学繊維と様々です。もっとも一般的なのは、ひし形の模様が全体に連なっている光輝縁(こうきべり)であり、化学繊維を使用しているため耐磨耗性に優れています。また、無地縁の光輝縁は純綿糸に模様を入れず織り上げられており、高級品から一般的なものまで様々です。

その他にも、神社の厚畳や有職八重畳などに使用されている錦織の繧繝縁や、寺社や床の間などに使用される高麗縁など伝統的な模様もあれば、洋風の部屋にも合うようなモダンなデザインや淡い色の無地縁などもあり、中には自分で好きな柄を特注できることもあります。店舗や施設の畳替えを行う時も、専門店に相談してオリジナルデザインの畳縁を注文すれば、より印象的な空間をデザインすることができます。