環境にやさしい畳夏はひんやり、冬は暖かいなど、季節に合った感触を楽しむことができる畳ですが、その性質は主に自然素材によってもたらされています。主に畳表・畳床によって構成されておりますが、畳表はい草の茎、畳床は稲わらまたは木製ボードが使用されており、畳の染料も基本的に泥ですので、そのほとんどは土に還ることが可能です。実際、一昔前は使用済みの畳は有機肥料として田畑に使用されていました。木製ボードなど畳床の資源についても、その多くがリサイクル可能なものであり、ゴミを出さないため大変エコロジーです。

また、自然環境に優しいだけではなく人体にとっても優しいです。畳は常に呼吸しており、空気中の有害物質などもい草や稲わらの中に吸い込んでいます。それらの素材は、内部がスポンジ状になっており粘り気もあるため、二酸化窒素やシックハウス症候群の原因として名高いホルムアルデヒドなどを吸着する作用があります。ホルムアルデヒドは自動車の排気ガスやタバコの煙などにも含まれており、発がん作用を高めるなど人体にとって有害な成分ですので、それらの成分を空気中から自然と取り除いてくれる畳は健康対策としても効果的です。

しかも、畳に使用されているい草からはフィトンチッドという樹木の芳香成分が放出されており、森林浴をしている時と同じすがすがしい気分にしてくれます。フィトンチッドは、身体の免疫力を高めたりストレスホルモンを減少させたりと、身体にとって有益な作用をもたらします。また、畳は吸音効果があり音が響きにくいということも気分を落ち着かせてくれます。自然環境に優しい素材を使用したい方、安らぎを必要としている方は、ぜひ床材に畳を利用することをおすすめします。ただし、い草などの生産過程で農薬など化学物質を使用する場合もあるため、製品の安全性については個別に確認する必要があります。特に海外製の畳は生産過程で泥以外の塗料や石油、石炭、成長促進剤などが無法状態で使用されるケースがあるため注意しましょう。