日本の住宅には、やっぱり畳が映える!
和室の美しさ、清楚さは、畳で決まります。
日常生活の洋式化にともなって、私たち日本人は、フローリングの部屋をより好むようになってきたように思います。しかし、そうとは言っても、家を建てるときやマンションを選ぶときは、ひとつでも和室のある間取りを選ぶのではないでしょうか。そういう意味では、畳が使われる和室とその美しさは、まだまだ日本の住宅になくてはならないものなのだと言えます。
このように、私たちの生活に根づいている畳が西洋化の波に飲まれてなくなってしまわないためにも、畳の張り替えなどを上手に取り入れて、畳を大切に永く使っていきたいものです。しかし、単純に汚れてしまったから、傷んできたから、と畳の張り替えをするのではなく、それによって生まれる畳の美しさにも気づいておいてほしいと思います。和室(座敷)の美しさは、大まかにいうと「天井」「壁」「床」の3つの要素と、「床の間」や「柱」の材質、「襖(ふすま)」「障子」といった開口部分とそこから見える自然のたたずまい等が生み出す、総合的な調和や造作によって見極められます。
とりわけ3大要素のひとつである畳は床面いっぱいに広がっているので、その善し悪しが、和室の雰囲気や印象、美しさを左右しているといっても過言ではないでしょう。和室そのものの美しいイメージが畳なのだと言ってもいいくらいです。築年数の経ったさびれてしまった和室も、畳の張り替えをするだけで、すっきりと新しい座敷によみがえりますね。同じように古くなった襖や障子も張り替えれば、まるで生まれ変わったように見違えた新しい和室になるでしょう。このように和室は、手軽にリフォームができ、簡単にお部屋の印象を替えられるメリットがあるのです。
畳のある和室には、思わずゴロンと横になりたくなるリラックス感や、畳に正座をすると感じる、凛とした緊張感があると思います。張り替えなどをして新しくなった畳の光沢や香りは、そんな和室の癒しや緊張をも美しさのひとつにしてくれます。畳の効能や機能もすばらしいものですが、畳そのものの美しさにも気づくと、日本の文化になくてはならない畳への深い理解が、畳への愛着に変わっていくのではないかと思います。