畳の縁は奥が深い
畳には通常、縁(へり)がありますが、ない畳もあります
どのような和室にしようかと考えるとき、襖(ふすま)の柄はどうしようか、壁の素材や色はどうしようか、悩むのではないでしょうか。畳も同様に、使われる素材や原料、色や柄、形まで、さまざまな種類があるのをご存じでしょうか。縁(へり)の柄や「い草」の質以外にも選ぶ要素はたくさんありますので、ご自分のお好みに合わせて、選ぶことができます。どのような種類があるのか、簡単にご紹介しましょう。
『縁(へり)有り畳』:最も一般的な畳のことです。主に「畳床(芯材)」「畳表(い草でできたゴザ)」「畳縁(へり)」から成り、多くの方がイメージする畳は、この畳のことを指します。「畳床」がワラではなく化成品で作られている「化学畳」、発砲フォームで作られている「スタイロ畳」、畳表が「い草」ではなく和紙で作られている「和紙畳」、「い草」を染めた「カラー畳」、施設で多く使われている「洗える畳」など、用途や目的、機能もいろいろなので、選ぶときは専門家に聞きながら、また実物を見ながら、決めましょう。
『縁(へり)無し畳』:字のごとく、縁(へり)のない畳のことです。有名なものに「琉球畳」があります。あまり見かけないかもしれませんが、縁が無く形が正方形でデザイン性が高いのが特徴です。本物の「琉球畳」は国産い草を使用し手織りなので高級品ですが、そのデザイン性の高さから最近人気が出てきています。
『床の間』:和室の床の間に使われる特有の畳表があります。「龍鬢表(りゅうびんおもて)」と呼ばれるもので、赤っぽい「赤龍鬢」や「い草色」の「青龍鬢」などがあり、特に風情を出したい時に使われます。(普通、床の間には「伴表(ともおもて)」といって、室内の畳と同様の畳表を使用します。)
特殊な畳も含めて、畳の種類は数多くあることがおわかりいただけたでしょうか。「い草」の織り方や縁(へり)のデザインも伝統的なものから現代的なものまでありますので、それぞれを組み合わせたら、本当に数限りなくあります。新しい畳を購入する際や畳の張り替えの際は、予算や趣味、用途や目的に合わせて、ぜひ組み合わせの楽しさや畳の奥深さを楽しんでくださいね。