畳は多様性に富む
畳は自由度の高い床材です
古民具や骨董をあつかうお店が若い人の間で人気になったり、生活のなかに「和」を上手に取り入れる方たちが多くなったように思います。「和」の生活に欠かせないものの一つに畳があります。
インターネット上ではたくさんの畳店が検索できますし、ホームセンターなどDIY関連の大型店でも畳コーナーがあり、さまざまな種類の畳を販売しています。畳の張り替えなども受注しているので、畳への注目も少しずつ高まっているのを感じます。畳が注目されるポイントについて考えてみたいと思います。
『柔軟性』:畳のある和室の大きな特徴のひとつに、目的に合わせて自由に使える「柔軟性」があると思います。家族で卓を囲む「居間」として、お客様を迎える「応接間」や「客間」としても使えますね。「畳の部屋が集中力を高める」という研究結果が注目されて、子ども部屋を和室にする方もいるのでは。また布団を敷けばそのまま「寝室」になりますし、布団を上げれば子どもが走り回っても大丈夫です。テーブルや椅子といった人数を限定する家具を必要としませんので、大勢の方がいらしても、ちょっとずつ詰めて座れば大丈夫!なんていう大らかな対応もできてしまいますね(笑)。用途や目的によって、いろいろ使える畳の部屋の「柔軟性」はスゴイ!と思いませんか。
『難燃性』:自然の素材で作られている畳ですが、実は燃えにくい性質があるのをご存じですか。畳の芯材である「畳表」は、ワラで作られています。高さ40センチほどの束にしたワラを厚さ5センチほどにまで圧縮させて作ります(ワラ床)。たとえば、薄い紙1枚は燃えやすいですが、厚い電話帳はすぐには火が付きませんよね。同じように、何層にも圧縮されたワラ床も火が付きにくく、また畳表には吸湿性があるので適度に湿気を含んでいるため、さらに燃えにくくなっているのです。仮に火が付いても、すぐに燃え広がるというよりは「ブスブス・・・」とくすぶる燃え方になるようです。
ただ最近は、ワラが入手困難であったり、重くて扱いにくいといったことから、ワラを使用しないで作られる畳も多くなっています。その場合でも、防火や防炎を機能に盛り込んで作られている畳がありますので、検討してはいかがでしょうか。