畳は生きています!
畳は呼吸し、お部屋の湿度調整もしています。
日本の住まいにとって絶対に必要なもののひとつとして、畳があげられるのではないでしょうか。畳にはとても優れた特質があって、畳が「呼吸」することによって、空気をきれいにしたり、湿度を調整したりしてくれています。ご存じのとおり、日本は高温多湿で四季がある気候です。この豊かな環境に、畳は非常に適している住宅材料、床材として、はるか昔から親しまれてきたわけです。ですから、畳の張り替えなどをしながら、永く大切に使われてきたのですね。
畳はいわば「呼吸」をして、部屋の湿度や温度を調整するすばらしい性質がありますが、その湿度調整能力は、なんと、畳1枚で500ccもの水分を吸収すると言われています。吸収された水分は、空気が乾燥しているときに、部屋の空気を潤すために放出されるのです。まさに畳は、自然の除湿・加湿器と言えるのです。さらに畳は、体に悪い影響を与える有害物質である、空気中の二酸化窒素のようなものまで吸着するということがわかっています。この作用があることから、畳には空気の浄化能力があると言われているのです。
畳の材料として利用されている「い草」は、まるでスポンジのような構造をしているので、その細い見た目と異なり意外にも空気をたくさん含んでいます。ですから畳は、やわらかくて衝撃を吸収するので体にやさしく、音さえも吸収してくれる効果もあります。また、空気には熱を伝えにくいという性質があるため、この「い草」が使われている畳には、夏の暑い空気や冬の冷たい空気をさえぎってくれる特徴があるのですね。高温多湿ながら「夏は涼しく冬は暖かく」と、日本の四季を快適に過ごせるのも、このような畳の秘密があるからです。
このように、日本の風土に根づいて育まれた畳は、日本の文化にはなくてはならないものになっているのと思います。フローリングの洋室もいいですが、畳ならではの良さもぜひ忘れずに身近に感じていたいものです。家族の健康のためにも、こまめなお手入れや張り替えなどをして、今ある畳を大切に永く利用していくといいのではないでしょうか。